大学院には、院生同士で自主的に行う勉強会が数多く存在します。
こちらのページでは、日本文化学の院生に広く開かれた勉強会のひとつ「とりあえず勉強会」と、特定の関心領域を持つ院生で行っている勉強会をご紹介しようと思います。

‟とりあえず”勉強する

日本文化学講座のなかで、修士・博士の院生による勉強会に「とりあえず勉強会」というものがあります。2016年からだいたい月に一度、担当者が課題テクストを提示し、常時10人前後の参加者で感想や批判を出しあいます。“とりあえず”とは、とにかくいま関心のある本を自由に持ち寄って勉強しよう、という企図を表して付けられました。
日本文化学講座の院生が専攻するテーマは、多様です。各々の予備知識や立脚するスタンスに開きがあるため、なぜいまこの研究をする必要があるのか、という説明がおのずと必要とされます。勉強会の冒頭では、いまそのテクストを読む意義や具体的にどのように自身の研究に援用するのかという点をまず担当者から述べ、自身の研究の正当性を自明視せずに、各々がいま抱く問題意識の結節点を探るための場となっています。ちなみに、2019年度の第1回は、重森臣広ほか編『規範の造成学』(勁草書房、2014年)を予定しています。

これまでのとりあえず勉強会

さまざまな勉強会を立ち上げること

「とりあえず勉強会」以外にも、より関心領域の近い院生による少人数の勉強会や、1冊の本を読むための単発的な勉強会もあります。私自身の経験でいえば、政治理論や詩全般、在日朝鮮人文学、ボードリヤール、雑誌『岩手の保健』等を対象とした勉強会を行いました。また研究室内では、クィア・スタディーズやアカデミック英会話の勉強会が新たに立ち上がったところです。
「数回で消滅してもいいから、とにかく勉強会は始めるのがいい」、先輩によく言われた言葉です。新しい方のもたらしてくれる知見が、既存の、あるいはまだ見ぬ勉強会をいちばんに活気づけてくれるものだと思いますので、一緒に勉強させていただけることを楽しみに、入学を考えている方のご参考に、わずかでもなることを祈っています。